カーテンコールはまだ鳴らない。



そうして時間が経ち、⽇が沈む頃。

⾼瀬侑玖は、繁華街の外れにある雑居ビルの⼀室にいた。

古びたソファにだらしなく腰を落とし、天井を⾒上げたまま、

ゆっくりと煙を吐く。

アメリカンスピリットの独特な匂いが、部屋に滞留していた。

「……はぁ」

思わず漏れた溜息に、⾃分で苦笑する。

――まさか、あんなところで会うとは。

昼間の喫煙所。

コンビニの裏⼿。

響華の顔を⾒た瞬間、⼼臓が⼀拍、完全に遅れた。