カーテンコールはまだ鳴らない。


* * *

そんなことを考えたまま、⽴ち尽くしていた私の⽿に、

不意に明るい声が⾶び込んできた。

「――あれ!? 響華!? 響華じゃん!!」

その声で、我に返る。

侑玖はそのままこちらへ駆け寄ってきて、

「めっちゃ久しぶりじゃね? うわ、嬉し〜!!」

と、屈託のない笑顔ではしゃいでみせた。

⾦髪の頭と、⽿に開いたピアス。

それは、学⽣時代からほとんど変わっていない。

唯⼀変わった点があるとすれば――

制服ではなく、暗いグレーのスーツに、ワインレッドのネクタイを

締めていることくらいだろう。