家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

 お宮参りの数日後から、その写真は三人の家のリビングに飾られた。

 フォーマルな写真立てに収めた写真は、結婚式のときの写真と、莉奈が生まれたときの写真の横にある。

 飾ったのは、二人が微笑を浮かべている、フォーマル写真に相応しい一枚だ。

 家への来客も目にするものだから、である。

 だがあの一枚……満面の笑みで写っているほうは、それ以来、巳影のスマホに設定された。

「俺たちが幸せなのが、よく感じられるから」

 少し照れながらもそう説明した巳影は、この写真をとても気に入っているようだ。

 もちろん明莉も同じ気持ちだった。

 笑みが溢れた一枚を優しげな目で見つめる巳影の様子を見るたびに、幸せが胸いっぱいに溢れるのを感じるのだった。


(完)