ダウナーちゃんは死にたがり

亮哉は数秒黙ってから、スマホを机に置いた。

「……別にいいけど」

そして少しだけ視線を逸らしながら、続ける。

「夜中に“死ぬ”だけ送ってくんのはやめてね。

普通に怖いから。」

伊織はくすっと笑った。

「スタンプにするかも。」

「もっと嫌だわ。」

「ふふ……」

小さな笑い声。

その瞬間、教室のドアが勢いよく開く。

「おはよ〜〜!」

クラスメイトの騒がしい声。

一気に日常の空気が流れ込む。

伊織はスマホを胸元に抱え、ぼんやりと亮哉を見た。

連絡先ひとつ。

それだけなのに、昨日までより少しだけ。

この世界に、自分の居場所が増えた気がした。