* * * ⽞関を開けても、⾳はない。 電気は消えている。 「……ただいま。」 返事はない。 当然だ。 両親はいない。 どこにいるのかも、聞いていない。 暗いままのリビングを通り過ぎる。 冷蔵庫のモーター⾳だけが、やけに⼤きい。 「……静かすぎ。」 誰も怒鳴っていない夜は、逆に落ち着かない。 ⾃室のドアを開けても、真っ暗。