ダウナーちゃんは死にたがり

―――私が死んだ時、本当の意味で悲しんでくれる⼈は、

⼀体何⼈いるのだろうか。

きっと、クラスメイトも、親戚の⼈たちも、両親も、

泣いて悲しんでくれるだろう。

けれど、数ヶ⽉.....いや、⼀⽉も経てば、悲しみは薄れ、

きっとみんな、徐々に⽇常へと戻っていく。

それでいい。それが普通なのだ。

⾼校2年⽣の相⾺伊織は、学校の屋上のフェンス越しに街を⾒下ろしながら、

そんな事を考えた。

ギリシャ神話に登場する、死を司る神『タナトス』

どうやら私は、この世界に⽣まれ落ちた瞬間から、タナトスに⽀配されていたようだ。

美味しいものを⾷べていても、誰かと笑い合っていても、

私の頭の⽚隅には、いつも死という⾔葉がちらついている。

伊織は⽬の前に広がる錆びたフェンスをギュッと掴み、

ぼんやりとした表情でそれを乗り越えた。