中の水をひしゃくで掬って喉を潤し顔を洗う。以降お昼までは何も口にしない、ダイエットとは無縁の生活。桶の水をバケツに移し、ぞうきんを放り込んで聖堂にレッツゴー。
あかぎれだらけの手は水に付けるときりきり痛む。けど職業病だと思って我慢。ゴム手袋なんて便利なもの、この世界にはないんだから。
バケツを手に身体を押し込むようにしてギシついた聖堂の扉を開けると、そこでは――。
「おはようございます、シスター」
「ずいぶんと遅いお目覚めじゃないか、シーリ」
「すみません……」
暖炉に薪をくべた老シスターが意地悪な顔で振り向いていた――。
◇
教会に入った私を奥から睨む、いかつい老婆。
彼女こそがこの教会兼孤児院を取り仕切る唯一の大人、シスター・ラミニ。
歳は多分、五、六十歳の間。腰は曲がっているが背丈は高く、魔女じみたワシ鼻と鋭い目付きは相当な迫力だ。
あかぎれだらけの手は水に付けるときりきり痛む。けど職業病だと思って我慢。ゴム手袋なんて便利なもの、この世界にはないんだから。
バケツを手に身体を押し込むようにしてギシついた聖堂の扉を開けると、そこでは――。
「おはようございます、シスター」
「ずいぶんと遅いお目覚めじゃないか、シーリ」
「すみません……」
暖炉に薪をくべた老シスターが意地悪な顔で振り向いていた――。
◇
教会に入った私を奥から睨む、いかつい老婆。
彼女こそがこの教会兼孤児院を取り仕切る唯一の大人、シスター・ラミニ。
歳は多分、五、六十歳の間。腰は曲がっているが背丈は高く、魔女じみたワシ鼻と鋭い目付きは相当な迫力だ。



