極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

 強く願ったからか、一瞬だけ右手の感触が復活した。思いっきりそれを伸ばし、立ち昇る光の内部に突き入れ、掴む。

 だが、そこまで。
 急速に目線のコントロールがきかなくなり、視界がぐるぐると回って。

(なに……これ。抜け出せない!)

 渦は周辺の光景を取り込み、無数の円を描きながら私を引き寄せる。その中心――赤ん坊の内部へと。

(あ、あ、あ――きゃあぁぁぁぁぁぁっ!)

 ひどく動転しながらも直感する。これは多分、目の前の赤ちゃんの仕業だ。
 だっておかしいもの、他に理由が思い当たらない。なんでこんな場所に送られて来たのかは分からないけど……きっとお母さんと会いたいってこの子の思いが、私を身体の中に引きずり込んで――。


 ……そう。これは私の、転生のお話。
 こんな超常現象とは無縁の現代から……どこへ存在するとも知れない、遥か遠き異世界への――。