息を……して、ない?
……触れられずともわかる、今、彼女は。
(そん、な……嘘)
だらりと身体の力が抜け、静かに目を瞑った赤ん坊の姿。
なのに歯を食いしばり進む男性は、それに気付かない。
(こんなのって……)
悲しい……なのに今は、涙も出てこない。
死の白に取り巻かれた一組の親子の道行き。その結末に目を背けたくなったが、そこで赤子からほわりと何かが浮かび上がる。
(あっ⁉ あれ……まさか!)
それは仄かで弱々しい、けれど純粋さを感じさせる光の群。感覚が無いのにぞっとした。 だって、なんとなくわかる……惑いながらも空高く引き寄せられてゆくあの光は、きっと――。(待ってよ、ダメだってば! もう戻って来られなくなる!)
私は防ごうと躍起になった。
消えた感覚は戻らないけど……せめて、指先よ、届け‼
……触れられずともわかる、今、彼女は。
(そん、な……嘘)
だらりと身体の力が抜け、静かに目を瞑った赤ん坊の姿。
なのに歯を食いしばり進む男性は、それに気付かない。
(こんなのって……)
悲しい……なのに今は、涙も出てこない。
死の白に取り巻かれた一組の親子の道行き。その結末に目を背けたくなったが、そこで赤子からほわりと何かが浮かび上がる。
(あっ⁉ あれ……まさか!)
それは仄かで弱々しい、けれど純粋さを感じさせる光の群。感覚が無いのにぞっとした。 だって、なんとなくわかる……惑いながらも空高く引き寄せられてゆくあの光は、きっと――。(待ってよ、ダメだってば! もう戻って来られなくなる!)
私は防ごうと躍起になった。
消えた感覚は戻らないけど……せめて、指先よ、届け‼



