極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

(う……)

 夜明けの光が反射して、きらりと横目を突き刺した。
 光は奥にいるシスターの手前、教壇の横に立つ金色の杖から来ている。これを見るのも物心ついて、もう何度目か。

 “聖杖”――これは私たちが住む聖王国ランシルエルトの教会組織を束ねる聖女会、そこから賜った特別な道具だ。聖女の力が込められていて、年に一度だけ大切に保管された教会奥の倉庫から引っ張り出されてくる。

 満十六を迎えた娘に聖女の力があるのかを、判別するために。

(そういや、私もそのくらいの歳だったよね?)

 正確には不明。だけどここで物心ついてから、大体そのくらいの歳月が経ったはず。
 もし、私に隠された力なんてものがあったなら……。

「なに怠けてんだい!」

 数秒手を止めた迂闊な私に、鋭い叱責が飛ぶ。