極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

「こちとら、ただであんたらを食わせてやってるわけじゃない。わかるだろ。感謝の気持ちってやつがあるなら、今日もせいぜい身を粉にして働くこったね」
「ええ……それはもう」

 ――自分は何もせず火に当たっているだけのくせに。あなたが着込んだその豪勢なガチョウ羽(グースダウン)入りのローブで、私たちが何日食べていけると思うの。

 内心の不満を隠し引きつり笑いで返すと、私は睨まれない内にさっさと堂内の窓を拭きにかかる。その様子をシスターは満足そうに見下し、湯気の立つ飲み物を啜った。中身はどうせ酒なんでしょう……エセシスターめ。

(しっかし、よく思い付いたもんよ。身寄りのない子供たちを集めて国や街から援助金やお布施をせしめ、老後まで裕福に暮らそうってんだから。私たちにはろくに着るものすら用意してくれない。せめて、子供たちの食べ物くらい、さ)

 もちろん、彼女が私たちを扱き使うのは冬だけじゃない。年中少しでも機嫌を損ねたら小言に飯抜き、引っぱたかれるのはまだいいほう。運が悪けりゃ簀巻(すま)きにされて反省室行き。日がな一日空きっ腹でみのむしの真似をしてるのは、あれでなかなかつらいものがある。

 面と向かって言えない悔しさを力に拭き掃除を進め、凍りそうな水の中でぞうきんを絞っていると。