万華鏡は月を巻き戻す

二人でカフェに入り、涼しい店内で大きなかき氷を分け合う。
頭がキーンとなるほど冷たいのに、どこか心はあたたかかった。

店を出て、帰り道を歩く。

「美味しかったね。」

「ね! あんなに大きいと思わなかったけど。」

笑いながら話しているうちに、海が見える道へ出る。
夕暮れの光が水面に反射して、金色の帯みたいに揺れていた。

自然と手を繋いで歩く。
指先が触れた瞬間、どちらからともなくぎゅっと握り返す。

「羽瑠とここに来れてよかった。」

「私も。」

「白い手、出てこなくてよかったね。」

「まだそれ言うの!」

ふっと笑い合う。
その笑い声が、波の音に溶けていく。

「帰ろっか。」

「うん。」

駅までの道は、少し名残惜しいような、でも心地よい静けさだった。

帰りの電車に揺られながら、気づけば朔の肩にもたれかかって眠っていた。
朔の肩はあたたかくて、揺れるたびにそっと支えてくれる。

——この時間が、ずっと続けばいいのに。

そんな願いが、夢の中に溶けていった。