確かに、このままじゃテストの点数がやばい。
補修なんて絶対に嫌だ。
それに――朔と過ごせる時間だって、限られているはずなのに。
「お願い!」
勢いよく頭を下げると、朔はすぐに笑った。
「任せて。」
その一言が、胸の奥にすっと灯りをともす。
こうして、放課後は図書館で勉強することになった。
静かな空間にページをめくる音だけが響く。
窓から差し込む夕方の光が、朔の横顔を柔らかく照らしていた。
「ねぇ、朔。これってさ……」
「これは、ここをこうして。」
指先でノートを示しながら説明する朔は、驚くほど教え方が上手い。
言葉がすっと頭に入ってくる。
「朔ってさ、わりと何でもできる人?」
「んー? そう?」
「うん。だってスポーツもできて、料理もできて……
おまけに顔もまあ良いし。」
「なに? 惚れ直した?」
「そうだね。」
「え!? ほんと!?」
声が少し大きくなってしまい、すぐに先生の鋭い声が飛んできた。
「ほら、そこ静かにしなさい。」
「す、すみません!」
慌てて頭を下げると、朔がスッと小声で覗き込んできた。
「なに?」
「いやー、嬉しいなって。
羽瑠とこうやって過ごせるの、幸せだ。」
その言葉が、胸の奥に深く刺さる。
――どうしてそんなふうに言うの。
まるで、いずれ来るかもしれない別れを
どこかで覚悟しているみたいで。
私は笑おうとしたけれど、
喉の奥がきゅっと締まって、うまく笑えなかった。
補修なんて絶対に嫌だ。
それに――朔と過ごせる時間だって、限られているはずなのに。
「お願い!」
勢いよく頭を下げると、朔はすぐに笑った。
「任せて。」
その一言が、胸の奥にすっと灯りをともす。
こうして、放課後は図書館で勉強することになった。
静かな空間にページをめくる音だけが響く。
窓から差し込む夕方の光が、朔の横顔を柔らかく照らしていた。
「ねぇ、朔。これってさ……」
「これは、ここをこうして。」
指先でノートを示しながら説明する朔は、驚くほど教え方が上手い。
言葉がすっと頭に入ってくる。
「朔ってさ、わりと何でもできる人?」
「んー? そう?」
「うん。だってスポーツもできて、料理もできて……
おまけに顔もまあ良いし。」
「なに? 惚れ直した?」
「そうだね。」
「え!? ほんと!?」
声が少し大きくなってしまい、すぐに先生の鋭い声が飛んできた。
「ほら、そこ静かにしなさい。」
「す、すみません!」
慌てて頭を下げると、朔がスッと小声で覗き込んできた。
「なに?」
「いやー、嬉しいなって。
羽瑠とこうやって過ごせるの、幸せだ。」
その言葉が、胸の奥に深く刺さる。
――どうしてそんなふうに言うの。
まるで、いずれ来るかもしれない別れを
どこかで覚悟しているみたいで。
私は笑おうとしたけれど、
喉の奥がきゅっと締まって、うまく笑えなかった。


