万華鏡は月を巻き戻す

「ここは?」

「手作りのアクセサリーがつくれるところ。
入ろう。」

「うん。」

中に入ると、そこはロケットペンダントに
好きなラメ入りの粉やパワーストーンを詰めて
自分だけのアクセサリーを作れる店だった。

「これさ、お互いのために作って交換しない?」

「なにそれ、楽しそう。」

「お互いのお誕生日おめでとう、ってことで。
気持ち、たっぷり込めてね。」

「わかった。」

「俺の羽瑠への愛、こんなちっちゃいのに入りきらないけどね!」

朔が楽しそうに笑う。
その笑顔を見るだけで胸があたたかくなる。

――ああ、この笑顔が好きだな。

そう思った瞬間、
胸の奥に小さな痛みが走った。

だって朔は言った。
**“未来から来た”**と。

いつか、
どこかのタイミングで
彼はまた“未来へ戻ってしまう”のかもしれない。

そのことを考えるだけで、
足元がふっと揺らぐような不安が広がる。

今、隣にいるのに。
笑ってくれているのに。

――いついなくなってしまうんだろう。

そんな思いが、胸の中にぽつりと残った。