万華鏡は月を巻き戻す

透さんと別れて家に戻る。
朔とキッチンに立つ。朔は手際よくオムライスを作り始めた。

「羽瑠はレタス洗ってくれる?」

「わかった。」

言われた通りに動きながら、
横目で朔のフライパンさばきを見る。

「って……本当に料理上手なんだね。
オムライス、ふわっとろじゃん!」

「んー?わりと簡単だよ。」

軽く言うくせに、動きはプロみたいで悔しい。

そこへお母さんが口を挟む。

「やだー!料理もできて、イケメンなんて最高ね!!
羽瑠、今からちゃんと捕まえておいてよ。」

「ほんとやめてよー!」

「喜んで!手綱でも首輪でもするよ、俺。」

「冗談に乗らないの!」

私がツッコむと、
朔は悪びれもせず笑っている。

そんな賑やかな空気の中で、
出来上がったオムライスをみんなで囲んだ。

途中でお父さんが帰ってきて――

「え!えー?!うそうそ……」

と、状況を飲み込めずに動揺しながらオムライスを食べ、

「美味しい。
……娘をよろしくね」

と、さらっと言い放つ。

「だから違うの!!」

私の声が響き、
さらに賑やかな食卓になった。

胸の奥が、なんだかくすぐったい。
でも悪くない。