万華鏡は月を巻き戻す

羽瑠side

二人のところへ戻る。
さっきより空気がふわっとあたたかい気がした。
何を話していたんだろう。

「はい、卵!」

「ありがとう。
じゃあこれ戻してくる。」

朔がトマトソースを手に取る。

「え?オムライス作るんでしょ?
トマトソースのやつ。」

「味を変更する。
きのことベーコンのホワイトソースのが食べたくなってきた。」

「うわ、いいな!絶対おいしいやつじゃん。」

気づけば自然と朔の隣に並んでいた。
その距離が、いつもより近い。
胸の奥が少しくすぐったい。

そんな私たちを見て、
透さんがぽつりとつぶやいた。

「青春だね……。」

その声は、どこか優しくて、
少しだけ羨ましそうでもあった。