万華鏡は月を巻き戻す

「あとさ、この死ぬまでにやりたいことリストじゃなくて、
生きてるうちにやりたいことリストに変えようよ。」

私がそういうと、朔は紙を指で軽く叩きながら、
少し照れたように笑う。

「確かに。そっちの方が前向きだ。
じゃあさ、
二人でやりたいことこれからたくさんやっていこうよ。」

「うん。」

胸の奥がじんわり温かくなる。
“これから”という言葉が、こんなに嬉しいなんて。

「じゃあまずは、
大人の羽瑠とキスをする?
これどう?」

朔が少しだけ首を傾けて、
いたずらっぽく笑う。

「ちょっとさ。」

思わず笑ってしまう。
でも心臓はずっと早くて、
顔が熱くなる。

ふふっと笑う。

「だめ?」

「だめじゃない。」

その言葉を聞いた瞬間、
朔の表情がふわっとほどけた。

優しく朔の手が伸びて、
そっと頬に触れる。

そして、
唇が重なった。

触れた瞬間、
全部あたたかく溶けていくようだった。