万華鏡は月を巻き戻す

「羽瑠…この11年どうやって過ごしてたか教えてよ。」

朔は、まるで時間を取り戻すように、
ゆっくりと言葉を選びながら私を見る。

「いいよ。朔こそ教えて。」

「うん、一晩中話そう。」

その声があまりにも優しくて、
胸の奥がじんわり温かくなる。

「17歳で記憶思い出したの?」

「そう。本当はすぐ会いたかったけど、
17歳の俺が会いに行っても子供扱いされて相手にされないと思って、
だから本気だした。」

ふっと笑う朔。
その笑い方が昔と同じで、でも少し大人びていて、
胸がきゅっとなる。

「すごい。」

「ねぇ、羽瑠。
今なら俺の恋人になってくれるよね?」

「うん。
でも私7つも上だけどいいの?」

「当たり前じゃん。
関係ないよ。羽瑠は羽瑠だ。」

その言葉があまりにも真っ直ぐで、
涙が出そうになる。

「ねぇ、私がおばあちゃんになってもちゃんとそう言ってね。」

「その時は俺もおじいちゃんだから大丈夫だよ。」

ふっと二人で笑い合う。