ふと、『恋する逆さまな月』に挟んでいたメモを手にとる。
角が擦れていて、何度も開いた跡がある。
触れるたびに胸が締めつけられる。
「それまだ持ってるの?」
指をさされる。
「ずっと忘れられないんです。」
黒木は少しだけ目を細めた。
その表情は、からかうようでいて、
どこか優しさが滲んでいた。
「会いに行けば?
探してさ。」
「出来ないですよ。
だって、いま何歳?21歳若すぎ。
それに覚えてないですよ。」
「なんで?こっちは覚えてるのに?」
黒木の声は静かで、
どこか刺すような優しさがあった。
「いいんです。これで。
あーでも。もう私誰とも付き合えない。結婚も無理だー。」
「ふーん。
なら僕と付き合う?」
「それだけは絶対ないです。
本当やめてください。」
「失礼ー。」
ふっと笑う。
その笑い方は、昔よりずっと柔らかくなっていた。
「ねぇ、そこの最後のページくっついてない?」
「あれ、ほんとだ。
気づかなかったな。」
ぺりっと紙をゆっくりとめくる。
するとそこにはーーー
私はそれをみて涙が溢れる。
こんなの忘れるなんて無理だよ。
文字が滲むほど涙が落ちる。
胸の奥がぎゅっと締めつけられ、
呼吸が苦しくなる。
「これはある意味呪いだな。」
そう言って黒木が頭に手をおいた。
その手つきは不器用で、
でも確かに“慰めよう”としていた。
角が擦れていて、何度も開いた跡がある。
触れるたびに胸が締めつけられる。
「それまだ持ってるの?」
指をさされる。
「ずっと忘れられないんです。」
黒木は少しだけ目を細めた。
その表情は、からかうようでいて、
どこか優しさが滲んでいた。
「会いに行けば?
探してさ。」
「出来ないですよ。
だって、いま何歳?21歳若すぎ。
それに覚えてないですよ。」
「なんで?こっちは覚えてるのに?」
黒木の声は静かで、
どこか刺すような優しさがあった。
「いいんです。これで。
あーでも。もう私誰とも付き合えない。結婚も無理だー。」
「ふーん。
なら僕と付き合う?」
「それだけは絶対ないです。
本当やめてください。」
「失礼ー。」
ふっと笑う。
その笑い方は、昔よりずっと柔らかくなっていた。
「ねぇ、そこの最後のページくっついてない?」
「あれ、ほんとだ。
気づかなかったな。」
ぺりっと紙をゆっくりとめくる。
するとそこにはーーー
私はそれをみて涙が溢れる。
こんなの忘れるなんて無理だよ。
文字が滲むほど涙が落ちる。
胸の奥がぎゅっと締めつけられ、
呼吸が苦しくなる。
「これはある意味呪いだな。」
そう言って黒木が頭に手をおいた。
その手つきは不器用で、
でも確かに“慰めよう”としていた。


