黒木 side
朔が去ったあと、
黒木雅信はしばらく動けなかった。
未来の自分が彼女…羽瑠を殺す――
その言葉は確かに衝撃だった。
だが、胸の奥にひっかかる違和感があった。
(本当に…私なのか?)
彼女は娘に似ている。
似すぎている。
そのせいで、心が揺れたことは確かだ。
だが――
“手にかける”ほどの衝動は、自分にはない。
むしろ、守りたいと思っていた。
では、誰が。
その問いが頭をよぎった瞬間、
院長の背筋に冷たいものが走った。
一人の顔が浮かんだ。
あの日、娘を失ってから、
ずっと壊れたままだった。
まるで何も感じていないような空っぽの人形のようだった。
そして最近――
彼女を見たときの、あの表情。
驚きと、混乱と、
そして…歪んだ執着。
(まさか…)
院長は震える手で額を押さえた。
もし未来で彼女が殺されたのだとしたら、
それは自分ではなく――
その可能性が頭をよぎった瞬間、
全身から血の気が引いた。
(私は…何をしていたんだ。)
娘を失った悲しみに囚われ、
変化から目を背けていた。
その結果、
未来で誰かが傷ついたのだとしたら――
それは自分の責任だ。
「……いや。きっと思い過ごしだ。」
小さく呟いた。
だけどなんだこの拭えない不安は…。
朔が去ったあと、
黒木雅信はしばらく動けなかった。
未来の自分が彼女…羽瑠を殺す――
その言葉は確かに衝撃だった。
だが、胸の奥にひっかかる違和感があった。
(本当に…私なのか?)
彼女は娘に似ている。
似すぎている。
そのせいで、心が揺れたことは確かだ。
だが――
“手にかける”ほどの衝動は、自分にはない。
むしろ、守りたいと思っていた。
では、誰が。
その問いが頭をよぎった瞬間、
院長の背筋に冷たいものが走った。
一人の顔が浮かんだ。
あの日、娘を失ってから、
ずっと壊れたままだった。
まるで何も感じていないような空っぽの人形のようだった。
そして最近――
彼女を見たときの、あの表情。
驚きと、混乱と、
そして…歪んだ執着。
(まさか…)
院長は震える手で額を押さえた。
もし未来で彼女が殺されたのだとしたら、
それは自分ではなく――
その可能性が頭をよぎった瞬間、
全身から血の気が引いた。
(私は…何をしていたんだ。)
娘を失った悲しみに囚われ、
変化から目を背けていた。
その結果、
未来で誰かが傷ついたのだとしたら――
それは自分の責任だ。
「……いや。きっと思い過ごしだ。」
小さく呟いた。
だけどなんだこの拭えない不安は…。


