万華鏡は月を巻き戻す


「え?羽瑠の両親いないの?」

「今日から2泊3日で旅行だって。」

「そっか。じゃあ…夏祭りどうする?」

「一緒に行く。」

「うん、行こう。」

そう言い合って、2人で買った棒アイスをかじる。
ひんやりした甘さが、火照った体にすっと染みていく。

「外、暑すぎるね。」

朔がアイスを少し傾けながら言う。
溶けた部分が指に垂れそうで、慌てて舐める姿がちょっと可愛い。

「ほんと。…図書館でも行こうか。」

「うん。夏休みの宿題しよう。」

「そうだね。」

棒アイスの最後の一口をかじると、
カリッとした音が2人の間に小さく響いた。

ゴミ箱に棒を捨てて並んで歩き出す。
アスファルトの熱気を避けるように日陰を選びながら、
図書館へ向かう道をゆっくり進む。