万華鏡は月を巻き戻す


イルカショーを見てから、お土産コーナーにやってきた。

「羽瑠。お揃いで何か買わない?」

「いいよ。」

「じゃあ。これは?」

「笛?」

「そうさっきイルカのトレーナーさんが吹いてたやつ!」

「うーん。」

「じゃあこっちは?」

朔が指さしたのは、イルカのストラップ。

「あ、可愛い。」

「これ買ってくる!待ってて。」

朔は嬉しそうにレジへ向かっていった。
その背中が、どこか子どもみたいで可愛い。

そのとき──

「あれー、羽瑠ちゃん?」

振り返ると、透さんが手を振っていた。
柔らかく穏やかな人だ。

「あ、透さん!」

「どうしたんですか?」

「家族で遊びにね。」

「そうなんですか。」

「羽瑠ちゃんは……どうしたの?」