「やまだー、先出てていいぞ。鬼頭さんと買ってくから」
崎田の言葉に、同級生が眉間にしわを寄せる。詰め寄るように、顔を近づけて。
「は? 俺らまだアイツに用あんだけど」
同じくらいの背丈であろう崎田と睨み合いになると。
「じゃあアタシが聞いてやるから、表出ろや」
ずいっとガンをつける角度で、カザネが入り込む。その鋭い眼差しと迫力に怯んだのか、奴らは少しずつ後退りしていく。
「……ヤベェ、こいつガチのやつだ」
逃げるように僕の前を通り過ぎて、コンビニを出て行く後ろ姿は情けなく見えた。
みんなに守られて、何も出来なかった僕もーー同類だ。
外で2人を待つ最中、今にもこぼれそうな雫をこらえる。唇を噛み締めていると、隣に立つ百合園さんが小石を蹴りながら。
「雨、降りそうだね。大丈夫かな」
そう話してきたから、からりと乾いた地面を向いたまま、うんと頷いた。
会計を終えて出て来た崎田が、僕の肩に腕をまわす。
「腹減ったぁ〜。早く山田ん家行こうぜ」
「バナナチョコ! チョコマシュマロ!」
食べ物のことばかりで、誰もさっきのことを聞いてこない。その騒がしさに、ふっと笑みがこぼれてくる。
みんなにとって、僕の過去なんてどうでもいいのだ。僕が彼らのことをそう思うように。
何があったのだとしても、この時間は変わらない。
晴れ晴れとした空の下、心の底から笑えたのは、たぶんもう何年かぶりだった。
崎田の言葉に、同級生が眉間にしわを寄せる。詰め寄るように、顔を近づけて。
「は? 俺らまだアイツに用あんだけど」
同じくらいの背丈であろう崎田と睨み合いになると。
「じゃあアタシが聞いてやるから、表出ろや」
ずいっとガンをつける角度で、カザネが入り込む。その鋭い眼差しと迫力に怯んだのか、奴らは少しずつ後退りしていく。
「……ヤベェ、こいつガチのやつだ」
逃げるように僕の前を通り過ぎて、コンビニを出て行く後ろ姿は情けなく見えた。
みんなに守られて、何も出来なかった僕もーー同類だ。
外で2人を待つ最中、今にもこぼれそうな雫をこらえる。唇を噛み締めていると、隣に立つ百合園さんが小石を蹴りながら。
「雨、降りそうだね。大丈夫かな」
そう話してきたから、からりと乾いた地面を向いたまま、うんと頷いた。
会計を終えて出て来た崎田が、僕の肩に腕をまわす。
「腹減ったぁ〜。早く山田ん家行こうぜ」
「バナナチョコ! チョコマシュマロ!」
食べ物のことばかりで、誰もさっきのことを聞いてこない。その騒がしさに、ふっと笑みがこぼれてくる。
みんなにとって、僕の過去なんてどうでもいいのだ。僕が彼らのことをそう思うように。
何があったのだとしても、この時間は変わらない。
晴れ晴れとした空の下、心の底から笑えたのは、たぶんもう何年かぶりだった。



