今僕は、もうかれこれ10年近くは見ていない写真を母親に見せられている。
小2の頃、生い立ちの授業で必要だと言われ、しぶしぶ持って行った以来のこと。
アルバムを広げながら、懐かしいわねぇ〜とのんきに笑っている。
「こんなの見て、なにが楽しいの」
「昔はいっぱい撮ってたのよ。久しぶりに思い出して、見たくなっちゃった。ほら、最近はあんまり家族で出かけないから」
「当たり前だろ。もう高校生なんだから」
いつまでたっても、僕を子ども扱いするから困る。
「あった、あった! ほら、これ。依子ちゃん」
逸らしていた視線を、いきおいよく写真へ向ける。
僕の目つきの悪さは、生まれつきらしい。泥だらけになりながらピースをする僕のとなりで、黄色いワンピースを着て並ぶ女の子。
三つ編みにメガネ姿は、今の三又依子となにも変わっていない。
「……ほんとに、知り合いだったのか」
「1年くらいで引っ越しちゃったから、あんまり覚えてないけど。まーくん、依ちゃんってお互い呼んでたわ」
イヤな予感がする。母が顔の綻びを抑えきれなくなって来た。
話したくて仕方がないと、うずうずしているように見える。
「そういえば、真人覚えてない? 一緒に庭でプールした時のこと。あの時、真人がオモチャの指輪を渡して……」
楽しそうに話す母に背を向けて、僕はリビングを出た。
部屋から、再会したエピソードを詳しく教えてと聞こえてくるけど、特にないからと二階へ上がる。
あの人、こういう話題が大好物なんだ。なんでも首を突っ込んでくるから、勘弁してほしい。余計なことは、言わない方が身のためである。
小2の頃、生い立ちの授業で必要だと言われ、しぶしぶ持って行った以来のこと。
アルバムを広げながら、懐かしいわねぇ〜とのんきに笑っている。
「こんなの見て、なにが楽しいの」
「昔はいっぱい撮ってたのよ。久しぶりに思い出して、見たくなっちゃった。ほら、最近はあんまり家族で出かけないから」
「当たり前だろ。もう高校生なんだから」
いつまでたっても、僕を子ども扱いするから困る。
「あった、あった! ほら、これ。依子ちゃん」
逸らしていた視線を、いきおいよく写真へ向ける。
僕の目つきの悪さは、生まれつきらしい。泥だらけになりながらピースをする僕のとなりで、黄色いワンピースを着て並ぶ女の子。
三つ編みにメガネ姿は、今の三又依子となにも変わっていない。
「……ほんとに、知り合いだったのか」
「1年くらいで引っ越しちゃったから、あんまり覚えてないけど。まーくん、依ちゃんってお互い呼んでたわ」
イヤな予感がする。母が顔の綻びを抑えきれなくなって来た。
話したくて仕方がないと、うずうずしているように見える。
「そういえば、真人覚えてない? 一緒に庭でプールした時のこと。あの時、真人がオモチャの指輪を渡して……」
楽しそうに話す母に背を向けて、僕はリビングを出た。
部屋から、再会したエピソードを詳しく教えてと聞こえてくるけど、特にないからと二階へ上がる。
あの人、こういう話題が大好物なんだ。なんでも首を突っ込んでくるから、勘弁してほしい。余計なことは、言わない方が身のためである。



