「あれ? こんなところでなにしてるの?」
背後から声をかけられて、体がビクッと跳ね上がる。
振り向くと、頬を桃色に染めた百合園さんが立っていた。風呂から出たばかりなのか、シャンプーのいい香りが鼻をくすぐる。
事情を話すと、百合園さんが何か考えるポーズをして。
「風袮ちゃん、わたしの部屋おいでよ!」
ポンッと手を叩いて、行こう行こうと手を引っ張っている。
よかったな、と胸の中でつぶやいて、僕も部屋へ戻ろうと腰を上げた。
隣に並んだ百合園さんの唇が少し尖って、チラリと目線が上がってくる。
な、なんだ?
素早く瞬きする僕に、子どもが拗ねたような声でぼそりと。
「ふーん、夜のロビーで2人になっちゃうんだ」
「……えっ?」
「明日はクラス行動だね! おやすみ、山田くん」
いつもの花が咲いたような笑顔が向けられて、胸の前で小さく手を振り返す。
「……おやすみ」
胸の奥がざわついている。まるでホットコーヒーの中に氷が落とされた気分だ。
なにか、気に触るようなことしたのかな。
後ろ姿が見えなくなるまで、意味もなくその場に立ち尽くした。
背後から声をかけられて、体がビクッと跳ね上がる。
振り向くと、頬を桃色に染めた百合園さんが立っていた。風呂から出たばかりなのか、シャンプーのいい香りが鼻をくすぐる。
事情を話すと、百合園さんが何か考えるポーズをして。
「風袮ちゃん、わたしの部屋おいでよ!」
ポンッと手を叩いて、行こう行こうと手を引っ張っている。
よかったな、と胸の中でつぶやいて、僕も部屋へ戻ろうと腰を上げた。
隣に並んだ百合園さんの唇が少し尖って、チラリと目線が上がってくる。
な、なんだ?
素早く瞬きする僕に、子どもが拗ねたような声でぼそりと。
「ふーん、夜のロビーで2人になっちゃうんだ」
「……えっ?」
「明日はクラス行動だね! おやすみ、山田くん」
いつもの花が咲いたような笑顔が向けられて、胸の前で小さく手を振り返す。
「……おやすみ」
胸の奥がざわついている。まるでホットコーヒーの中に氷が落とされた気分だ。
なにか、気に触るようなことしたのかな。
後ろ姿が見えなくなるまで、意味もなくその場に立ち尽くした。



