脚の間に顔を埋めたからか、声がこもって聞こえた。
ぷっ、と思わず吹き出してしまう。あれだけ堂々と啖呵切ってるヤツでも、そんなこと思うのか。
「……なに笑ってんだよ、おまえ」
じろりと睨む目付きは、さすがにびびったが、もしかしたら自分を強く見せるための行為なのかもしれないな。
「……キレイな顔してるんだから、もっと自信持っていいと思うけど」
あ、ヤバい。思わずこぼれた言葉を、どうか拾わないでくれと祈る。
再び顔を下げたカザネが、プシューと空気の抜けた風船のように。
「よ、余計に外せなくなったじゃないか……」
先ほどまでの刺々しさが消えて、弱々しく嘆いた。
照れてるのか? 意外と素直な一面もあるんだな。
「……あと、言葉遣いをもう少し柔らかくしたらいいと思う」
「……調子に乗んなよ」
「ほらそれ。普通に怖いです」
しばらく沈黙したのち、カザネは「そうか」とだけつぶやいた。
出会った当初のことを考えると、角が取れて来た気がする。今では、僕や崎田も普通に会話が出来るのだから。
部屋へ戻ろうと促したけど、カザネは首を振った。どうやら、ホテルや旅館にひとりは幽霊が出そうで怖いようだ。
バイクをブイブイいわせているヤツが、よく言うよ。僕からしたら、よっぽどそっちの方がおっかないぞ。
「……じゃあ就寝まで。もう少し、ここにいてもいいけど」
「山田も1人がイヤなだけだろ」
「……うるさい」
どうせ部屋へ戻ってもぼっちだよ。
でも、不思議だ。その方が気楽で自由に過ごせるはずなのに、今はそれほど苦痛じゃない。むしろ会話を楽しんでいる自分がいる。
「……ウソだよ。ありがと」
視線こそ合わなかったけど、横顔に笑みが浮かんでいるのが、なんとなく分かった。
そうか。仲間はずれに慣れたと思っていたけど、違ったのか。言い聞かせていただけで、心の奥底では思っていたんだ。
ーー可能なら、ほんとは誰かといたいって。
ぷっ、と思わず吹き出してしまう。あれだけ堂々と啖呵切ってるヤツでも、そんなこと思うのか。
「……なに笑ってんだよ、おまえ」
じろりと睨む目付きは、さすがにびびったが、もしかしたら自分を強く見せるための行為なのかもしれないな。
「……キレイな顔してるんだから、もっと自信持っていいと思うけど」
あ、ヤバい。思わずこぼれた言葉を、どうか拾わないでくれと祈る。
再び顔を下げたカザネが、プシューと空気の抜けた風船のように。
「よ、余計に外せなくなったじゃないか……」
先ほどまでの刺々しさが消えて、弱々しく嘆いた。
照れてるのか? 意外と素直な一面もあるんだな。
「……あと、言葉遣いをもう少し柔らかくしたらいいと思う」
「……調子に乗んなよ」
「ほらそれ。普通に怖いです」
しばらく沈黙したのち、カザネは「そうか」とだけつぶやいた。
出会った当初のことを考えると、角が取れて来た気がする。今では、僕や崎田も普通に会話が出来るのだから。
部屋へ戻ろうと促したけど、カザネは首を振った。どうやら、ホテルや旅館にひとりは幽霊が出そうで怖いようだ。
バイクをブイブイいわせているヤツが、よく言うよ。僕からしたら、よっぽどそっちの方がおっかないぞ。
「……じゃあ就寝まで。もう少し、ここにいてもいいけど」
「山田も1人がイヤなだけだろ」
「……うるさい」
どうせ部屋へ戻ってもぼっちだよ。
でも、不思議だ。その方が気楽で自由に過ごせるはずなのに、今はそれほど苦痛じゃない。むしろ会話を楽しんでいる自分がいる。
「……ウソだよ。ありがと」
視線こそ合わなかったけど、横顔に笑みが浮かんでいるのが、なんとなく分かった。
そうか。仲間はずれに慣れたと思っていたけど、違ったのか。言い聞かせていただけで、心の奥底では思っていたんだ。
ーー可能なら、ほんとは誰かといたいって。



