「はっ、はぃ!」
びくっと肩が跳ね上がり、思わず声が裏返る。授業で無鉄砲に当てられた時でさえ、こんな声は出ない。
なんせ女子に話しかけられることなど、ほぼ皆無に近いのだ。それが、校内一の美少女と言われる百合園さんなのだから、只事ではない。
「今の、見てたよね?」
「いや……、あぁ……はぃ」
ごまかしきれない状況だったので、潔く認めてしまった。
さっきの豪快なキックが脳裏によみがえり、ごくりと喉が鳴る。
もしかして、口封じと称して僕も撃退されるのか⁉︎ どうする……。
「どうしたらいい?」
「……はぃ?」
もじもじと手足をくねらせて、言いづらそうに視線を逸らしている。
長いまつ毛が虚ろな表情を醸し出して、パッと僕の方を見た。
「どうしたら、この展開を変えられる?」
「……え?」
「わたしは胸キュンな少女漫画をしたいのに、気付くと悪を倒してたり、なぜかヒーロースイッチが入っちゃうの」
ほんのりと紅潮した頬、小さく動く艶やかな唇。それとは似つかわしくない発言が、飛び蹴りの周りをウロチョロする。
言っていることは理解出来なくもないが、
情報量が多すぎて頭がパンクしそうだ。
「ごめん、やっぱりちょっと意味がわか……」
「わたしには分かる。あなたは少女漫画の世界の人だって」
どこをどうしてそうなった⁉︎
あきらかに、恋愛とは無縁な場所にいる部類だろう!
ぶるんぶるんと大きく首を振る僕にお構いなしで、百合園さんは意を決したように一歩前へ出る。
びくっと肩が跳ね上がり、思わず声が裏返る。授業で無鉄砲に当てられた時でさえ、こんな声は出ない。
なんせ女子に話しかけられることなど、ほぼ皆無に近いのだ。それが、校内一の美少女と言われる百合園さんなのだから、只事ではない。
「今の、見てたよね?」
「いや……、あぁ……はぃ」
ごまかしきれない状況だったので、潔く認めてしまった。
さっきの豪快なキックが脳裏によみがえり、ごくりと喉が鳴る。
もしかして、口封じと称して僕も撃退されるのか⁉︎ どうする……。
「どうしたらいい?」
「……はぃ?」
もじもじと手足をくねらせて、言いづらそうに視線を逸らしている。
長いまつ毛が虚ろな表情を醸し出して、パッと僕の方を見た。
「どうしたら、この展開を変えられる?」
「……え?」
「わたしは胸キュンな少女漫画をしたいのに、気付くと悪を倒してたり、なぜかヒーロースイッチが入っちゃうの」
ほんのりと紅潮した頬、小さく動く艶やかな唇。それとは似つかわしくない発言が、飛び蹴りの周りをウロチョロする。
言っていることは理解出来なくもないが、
情報量が多すぎて頭がパンクしそうだ。
「ごめん、やっぱりちょっと意味がわか……」
「わたしには分かる。あなたは少女漫画の世界の人だって」
どこをどうしてそうなった⁉︎
あきらかに、恋愛とは無縁な場所にいる部類だろう!
ぶるんぶるんと大きく首を振る僕にお構いなしで、百合園さんは意を決したように一歩前へ出る。



