背後から、なにやら黒い影がもやりとしている。胸に響く低音の主は、百合園さんだ。
一瞬だけ、顔にどす黒いオーラが見えたぞ。少年漫画の主人公が覚醒したみたいな。心なしか、カザネの肩もビクッと跳ね上がっていた。
「……やだ、また変なのが出てた?」
ハッとした様子の彼女に、こくんと無言で頷く僕とカザネ。
「山田くんはね、いろいろ手伝ってくれてて……だから、あんまりいじめないで?」
キュルルンとした瞳。いつもの可愛らしい姿に戻っている。
「お、おう。悪かったな」
このヤンキーですら手名付けているなんて、百合園さんは何者なんだ。
ふう、とひとまず胸を撫で下ろす。
「風袮ちゃん、ほんとはすっごく恥ずかしがり屋で優しい子なの。山田くんも、仲良くしてね」
ぐっと顔が近付いて、手の指先が触れた。
ま、待て待て。少し近すぎるのでは……。ドキドキしていると、反対側から嫌な圧を感じた。
「おい、山田」
いきなり呼び捨てかよ。
「今、触ったな?」
「こ、これは不可抗力だろ……」
「問答無用だぁ! 覚悟しろーー!」
気づけば首に腕が回されていて、身動きが取れなくなる。
い、いててて! もうめちゃくちゃだ。
百合園さん、微笑ましそうに眺めていないで助けてくれ。
僕の平穏な昼休みは、こうして幕を閉じたのであった。
一瞬だけ、顔にどす黒いオーラが見えたぞ。少年漫画の主人公が覚醒したみたいな。心なしか、カザネの肩もビクッと跳ね上がっていた。
「……やだ、また変なのが出てた?」
ハッとした様子の彼女に、こくんと無言で頷く僕とカザネ。
「山田くんはね、いろいろ手伝ってくれてて……だから、あんまりいじめないで?」
キュルルンとした瞳。いつもの可愛らしい姿に戻っている。
「お、おう。悪かったな」
このヤンキーですら手名付けているなんて、百合園さんは何者なんだ。
ふう、とひとまず胸を撫で下ろす。
「風袮ちゃん、ほんとはすっごく恥ずかしがり屋で優しい子なの。山田くんも、仲良くしてね」
ぐっと顔が近付いて、手の指先が触れた。
ま、待て待て。少し近すぎるのでは……。ドキドキしていると、反対側から嫌な圧を感じた。
「おい、山田」
いきなり呼び捨てかよ。
「今、触ったな?」
「こ、これは不可抗力だろ……」
「問答無用だぁ! 覚悟しろーー!」
気づけば首に腕が回されていて、身動きが取れなくなる。
い、いててて! もうめちゃくちゃだ。
百合園さん、微笑ましそうに眺めていないで助けてくれ。
僕の平穏な昼休みは、こうして幕を閉じたのであった。



