「……また、やっちゃった。先輩、引いてたよね。恥ずかしい」
隣から、ぐすんと鼻をすする音が聞こえて来る。
なんでだ? 百合園さんは、ただ僕らを助けてくれただけなのに。
「……な、成瀬先輩!」
気付いたら、彼を呼び止めていて。
「女子が強いって、いけませんか? 僕は……いいと思います」
背中に問いかけていた。
うわ……、僕は何を言っているんだ。
「すごく素敵だよ。賢くて優しい子も好きだけどね」
百合園さんの方を向いて成瀬先輩が、
「さっきは胸が震えたよ。実にカッコ良かった。今日から君は、俺のライバルだね」
ウインクを飛ばして帰って行く。前から薄々感じてはいたけど、やっぱりどこかズレている。
「……山田くん」
そわそわしながら、百合園さんが恥ずかしそうに手で顔を覆った。
「今の、成瀬先輩に引かれてなかったってことだよね?」
晴れやかな表情に、うっと言葉が詰まる。
ライバル宣言をされたことに気付いていないのか? それとも、めちゃくちゃポジティブな人なのだろうか。
ツッコむべきか迷っていると、
「山田くんがあんなふうに思ってくれてたなんて、嬉しいなぁ」
チラッと視線がガチ合って、思わず空へと逸らした。
あれは、その場の勢いと言葉の綾というヤツだから。
「……ノ、ノーコメントで」
クスッと笑う百合園さん。
まあ、とりあえず一件落着ということで。
ひとまず胸を撫で下ろして、僕は家路に着いた。
隣から、ぐすんと鼻をすする音が聞こえて来る。
なんでだ? 百合園さんは、ただ僕らを助けてくれただけなのに。
「……な、成瀬先輩!」
気付いたら、彼を呼び止めていて。
「女子が強いって、いけませんか? 僕は……いいと思います」
背中に問いかけていた。
うわ……、僕は何を言っているんだ。
「すごく素敵だよ。賢くて優しい子も好きだけどね」
百合園さんの方を向いて成瀬先輩が、
「さっきは胸が震えたよ。実にカッコ良かった。今日から君は、俺のライバルだね」
ウインクを飛ばして帰って行く。前から薄々感じてはいたけど、やっぱりどこかズレている。
「……山田くん」
そわそわしながら、百合園さんが恥ずかしそうに手で顔を覆った。
「今の、成瀬先輩に引かれてなかったってことだよね?」
晴れやかな表情に、うっと言葉が詰まる。
ライバル宣言をされたことに気付いていないのか? それとも、めちゃくちゃポジティブな人なのだろうか。
ツッコむべきか迷っていると、
「山田くんがあんなふうに思ってくれてたなんて、嬉しいなぁ」
チラッと視線がガチ合って、思わず空へと逸らした。
あれは、その場の勢いと言葉の綾というヤツだから。
「……ノ、ノーコメントで」
クスッと笑う百合園さん。
まあ、とりあえず一件落着ということで。
ひとまず胸を撫で下ろして、僕は家路に着いた。



