音楽堂でピアノを弾いてから、一週間。
今日は先週のテスト返却日。
苦手だった化学も数学も、思っていたよりずっとできていた。
そのうれしさを抱えたまま、放課後の足は、気づけばまたここへ向いていた。
誰もいないのを確認して、そっとピアノに手を伸ばす。
鍵盤のふたを開けるだけで、少しだけ気持ちがほどける。
何を弾こうかな。
そう考えていた、そのときだった。
「なぁ!あんた!!!」
突然、背後から大きな声をかけられた。
驚いて顔を上げると、そこには黒いパーカーにサングラスの男の人が立っていた。
フードの隙間から見える髪は、金髪っぽい。
背も高いし、声もでかいし、なにより勢いがすごい。
え……私に言ってるの?
戸惑って動けずにいると、彼はずかずかと私の隣まで歩いてきて、ピアノに手を置いて言った。
「なぁ、あんた。オレらに曲、書いてくんね?」
……え?
あまりにも突然すぎて、頭がついていかない。
曲を、書く?
私が?
「人違いじゃないですか?」
「人違いじゃないって!あんたがいいんだって!」
やっとそれだけ口にすると、彼は即座に首を振った。
……やばい。
完全に変な人だ……!
「ご、ごめんなさいっ……知らない人と話すなって言われてるんで……!」
ほとんど反射みたいにそう言って、慌ててカバンをつかむ。
そのまま背を向けた。
「おい!待っ……!」
まだ何か言っていたけど、聞かないふりをして公園を走り抜ける。
心臓がばくばくして、足まで妙に速くなる。
怖かった、はずなのに、どこかでさっきの言葉が引っかかっていた。
『オレらに曲、書いてくんね?』
知らない人の言葉なんて気にしなくていい。
そう思うのに、耳の奥に残って離れなかった。
今日は先週のテスト返却日。
苦手だった化学も数学も、思っていたよりずっとできていた。
そのうれしさを抱えたまま、放課後の足は、気づけばまたここへ向いていた。
誰もいないのを確認して、そっとピアノに手を伸ばす。
鍵盤のふたを開けるだけで、少しだけ気持ちがほどける。
何を弾こうかな。
そう考えていた、そのときだった。
「なぁ!あんた!!!」
突然、背後から大きな声をかけられた。
驚いて顔を上げると、そこには黒いパーカーにサングラスの男の人が立っていた。
フードの隙間から見える髪は、金髪っぽい。
背も高いし、声もでかいし、なにより勢いがすごい。
え……私に言ってるの?
戸惑って動けずにいると、彼はずかずかと私の隣まで歩いてきて、ピアノに手を置いて言った。
「なぁ、あんた。オレらに曲、書いてくんね?」
……え?
あまりにも突然すぎて、頭がついていかない。
曲を、書く?
私が?
「人違いじゃないですか?」
「人違いじゃないって!あんたがいいんだって!」
やっとそれだけ口にすると、彼は即座に首を振った。
……やばい。
完全に変な人だ……!
「ご、ごめんなさいっ……知らない人と話すなって言われてるんで……!」
ほとんど反射みたいにそう言って、慌ててカバンをつかむ。
そのまま背を向けた。
「おい!待っ……!」
まだ何か言っていたけど、聞かないふりをして公園を走り抜ける。
心臓がばくばくして、足まで妙に速くなる。
怖かった、はずなのに、どこかでさっきの言葉が引っかかっていた。
『オレらに曲、書いてくんね?』
知らない人の言葉なんて気にしなくていい。
そう思うのに、耳の奥に残って離れなかった。
