『いいえ、大丈夫よ……親切に、ありがとう』
眩暈は一瞬で収まったようで、女性は脱力したように息を吐く。小さく微笑まれて紗月は目を瞬かせた。
(わぁ、すごく綺麗な人だな)
年齢は母と変わらないか少し若いくらいだろうか。化粧はしておらず、少しやつれて見えるのに顔立ちは驚くほどはっきりとしていて、たおやかな美しさがあった。
『ご迷惑掛けてごめんなさいね……あら、その制服』
女性は紗月を見て、なにかに気づいた表情になる。
『母さん』
前方から声がしてそちらへ視線を向けると、見知った人物が立っていた。
『え、島君?』
『あら航生、早かったのね』
『なにやってるんだよ。薬の副作用があるんだから、勝手に歩き回らないように言われてただろう』
すぐ近づいてきた航生は、紗月に気づくと『永井?』と戸惑った声を漏らした。
『ごめんなさい。歩けるうちに少しでも体を動かしたくて。それより航生、この子あなたと同じ学校よね』
『……同級生』
母に問われ、航生は少しバツが悪そうに紗月から顔を逸らしたが、長い前髪とぶ厚い眼鏡でその表情はっきりとはわからない。
眩暈は一瞬で収まったようで、女性は脱力したように息を吐く。小さく微笑まれて紗月は目を瞬かせた。
(わぁ、すごく綺麗な人だな)
年齢は母と変わらないか少し若いくらいだろうか。化粧はしておらず、少しやつれて見えるのに顔立ちは驚くほどはっきりとしていて、たおやかな美しさがあった。
『ご迷惑掛けてごめんなさいね……あら、その制服』
女性は紗月を見て、なにかに気づいた表情になる。
『母さん』
前方から声がしてそちらへ視線を向けると、見知った人物が立っていた。
『え、島君?』
『あら航生、早かったのね』
『なにやってるんだよ。薬の副作用があるんだから、勝手に歩き回らないように言われてただろう』
すぐ近づいてきた航生は、紗月に気づくと『永井?』と戸惑った声を漏らした。
『ごめんなさい。歩けるうちに少しでも体を動かしたくて。それより航生、この子あなたと同じ学校よね』
『……同級生』
母に問われ、航生は少しバツが悪そうに紗月から顔を逸らしたが、長い前髪とぶ厚い眼鏡でその表情はっきりとはわからない。



