「すごい…。超能力者みたい」
「ある意味、超能力者だけどね。前世の自分と話したんだから。じゃあもう1つ。那津さんは…、どんぶりは好きですか?」
「…はい、好きです」
歩きながら話し、新さんが立ち止まったところで私も足を止めると、そのお店はどんぶりの有名なチェーン店だった。新さんから出る言葉が、全部超能力に思えてきた。ここまで来ると、これから私はどういう人生を歩んでいくのか、占いのように聞いてみたくなる。
お店に入りカウンター席に座ると、新さんはメジャーな牛丼、私は豚丼を頼み、すぐに運ばれてきたそれを食べ始める。ここの豚丼は、脂身が少ない方が好みの私にぴったりで、お弁当を家から持ってこなかった時は、会社内にあるコンビニよりもここに来る。落ち込んで1人になりたい時もここに来るけど、今日は新さんと。
何だか新鮮な風景のように思えて、いつもの店員さんも何も言わないけど、満面の笑みと時々目が合う。ご飯を食べながら、新さんの会社での失敗談を聞いて思わず笑ってしまったり、私の会社の先輩がやたら恋に敏感な話をしたり、たわいないことを話した。



