エントランスには、同じように待ち合わせしている人やお客さんと談笑している人、とにかく人で溢れている。そんな中、新さんを探そうと見渡すけど、1人浮き出るように新さんがこちらを向いて待ってくれているのが見えた。
お辞儀をすると私に気づいたのか、表情をパッと明るくさせて大きく手を振ってくれた。セキュリティゲートを小走りで通って、新さんの目の前で止まると、〝彼女と待ち合わせした気分〟と早速恥ずかしいことを言われる。
「行きたいお店があるんだけど、那津さんは食べられないものはある?寿司以外で」
「え、お寿司苦手なんですか?」
「いやいや、那津さん寿司苦手でしょ?」
「何で知ってるんですか…」
好き嫌いとかプライベートな話は、一切したことないのに。まさか、前世のお夏さんが苦手なのかな。
「今那津さんが考えたことで、合ってると思うよ。お夏さん、生ものはお腹を下すから食べられないって。だから、那津さんも同じじゃないかと思って」
私の頭の中を読まれているみたいに、新さんの言っていることは一言一句間違っていない。



