「……あれ?」
「どうかしたのか?」
ペットボトルのキャップをひねった優希は、違和感に首を傾げた。
「何だか、このスポーツドリンク……ううん、やっぱり何でもないよ」
未開封のペットボトルを開ける時の“カチッ”という音がしなかった。
それに、知っている味とも少し違う気がする。
けれど気のせいだと考えた優希は、そのまま数口スポーツドリンクを飲んだ。
「――よし! 打ち合わせがてらの休憩もしたし、そろそろ稽古場に向かおうぜ」
「だね。あと十分くらいで使用可能時間になるし」
皆が立ち上がり、予約していた稽古場へと向かう。
――そこで謙杜は、優希の様子がおかしいことに気づいた。



