「……って、またお前かよ!」
茂みの裏から現れたのは、朝の会話中にも背後から衝突してきた、優希だった。
しかし、優希をまとう雰囲気が今朝とはまるで違うことに、雄星だけは直ぐに気づいた。
「あー、あのさぁ。俺ら今、大事な話をしてるんだよね」
「そうそう。悪いけど、どっか行ってくれるかな?」
「……へえ。大事な話、ですか。だけど、ここは公共の場。僕がどこで何をしていようと、あなたたちに指図されるいわれはないはずですが?」
優希はにこりと笑いながら、小首を傾げている。
まさか言い返されるとは思ってもいなかった先輩たちはきょとんとしたが、直ぐに我に返って反論する。
「う、うるせぇんだよ! お前もコイツみたいに、俺らが可愛がってやってもいいんだぜ?」
先輩たちは暴力をちらつかせて、優希を脅しにかかってくる。
けれど優希は怯まない。
むしろ笑みを深めて、先輩たちのもとへ一歩、また一歩と、ゆっくりとした足取りで近づいてくる。



