「……おい、浅羽」
「……何だよ」
「やるからには、ふざけないで真面目にやれよ」
「お前に言われなくても、んなこと分かってるっつーの。お前こそ、独りよがりの演技はすんなよな」
遅れてやってきた二人は、出入り口で偶然鉢合わせていた。
そこで優希が過去のことを話し始めてしまったので、入るタイミングを逃してしまい、その状態で話を全て聞いていたのだ。
「行くぞ」
「はいはい」
二人は優希たちが待つ、舞台上に向かう。
――舞台にかける思いは、舞台に立ちたいと思う理由は、それぞれ違う。
けれど胸に宿る熱は、少しずつ、けれど確実に皆に伝染し、広がっていた。



