「実は僕、幼い時から体が弱くて。ずっと入退院を繰り返していたんです。だから、実際に生の舞台を観に行ったことも、片手で数えられる程度にしかなくて」
「え? そうだったんだ……」
「あ、でも今は、すっごく元気ですよ! 手術が無事に成功したんです。経過観察で定期的に通院してはいますけど、もう日常生活も全く問題ないって言われてますし」
明るく話している優希だが、手術をするほどの大病を患っていたのだ。
相当辛い思いをしてきたはずだ。
「病気で辛い時、苦しい時……テレビや生配信で観る舞台に、たくさん励まされていたんです。いつか僕も、あの舞台に立ってみたいって、ずっと夢見ていました。だから今、すごく嬉しいんです。毎日が楽しくて、夢みたいで」
そう言って、心から嬉しそうにはにかむ優希の表情を直視した琥太郎と謙杜は、同時に目元を覆って顔を伏せた。



