Actors☆5(アクターズ☆ファイブ) ~5人で挑む、はじめての舞台~



「……気をつけろよな」


ぶつかってきた生徒に注意をし、最後に雄星を睨んだ先輩たちは、校舎の方へと歩いていった。

雄星も校舎の方に進もうとすれば、オフホワイトの髪をした生徒に呼び止められる。


「ねえ、君も新入生だよね? 僕、朝比奈優希(あさひなゆうき)っていうんだ。よろしくね!」

「……ああ、よろしく」


短く答えた雄星は、自分の名前を名乗ることもなく、先に校舎の方へと歩いていく。

わざわざ自己紹介をしなくても、自分のことを知っているものだろうと思ったからだ。


雄星は、三歳の時から芝居をしている。

舞台俳優である父親の背中を見て育ち、稽古を重ね、子役として、実際の舞台にだって何度も立ってきた。


けれど、どれだけ努力をしても、いい演技をしても、雄星自身が認められることはない。

“早乙女晃成の息子”という色眼鏡で見られてしまう。


(どうせ“早乙女晃成の息子”としか見られないのなら……父さんから離れたこの学園で、芝居についてめいいっぱい学んでやる。そして、父さんを超えられるくらい上手くなってみせる)


そんな決意を胸に、雄星は舞凛学園に入学してきたのだ。