「雄星くんのこと、友達の一人もできないって言ってましたけど、そんなことはないです。だって僕たちが、雄星くんの友達ですから。それと、もう一つ。――雄星くんは、お父さんをも超える舞台俳優になるんです。ですから、お兄さんとして、応援してあげてくださいね」
最後ににこりと邪気のない笑みを浮かべた優希は、目を丸めている晃志の目の前まで歩いていく。
そして動きをつけながら、“眠れる森の美女”の台本に出てくる一節を読み上げてみせた。
「僕はあきらめない。誰に何て言われようとも、自分の生き方は、自分で決めるさ。――どうでしょう? 僕、今度の舞台で王子役を演じるんです。ヒロイン役の雄星くんと一緒に」
「……へえ。いいね、君のその目。来週の君たちの舞台、必ず観に行くよ。楽しみにしているね」
優希の演技を見て面白そうに笑みを深めた晃志は、今度こそこの場から立ち去っていった。



