「前に出演した舞台でも、同年代の子たちと上手くやれなくて、空気を悪くしちゃったんだろう? それで父さんに、もっと人付き合いを学べって言われたんじゃなかった?」
「っ、それは……」
「ああ、やっぱりそうだったんだ。……君たち、雄星とユニットを組んでるんだよね?」
「え、まあ、はい」
突然話を振られて、目が合った塁生は反射で頷く。
「ごめんね。コイツって妙にプライドが高くて頑固ところがあるから。迷惑をかけてるとは思うけど、仲良くしてやって」
心配そうに眉を下げて弟のことを頼むその姿は、優しい兄を連想させる。
けれど雄星は不快そうに眉を寄せて、その厚意を突っぱねる。
「兄貴には関係ないだろ」
「関係はないけど、兄さんなんだから、弟の心配くらいしてもいいだろ? それに、いつまでもそんな態度でいたんじゃ友達の一人もできないだろうし、父さんのような舞台俳優にだってなれないんじゃない?」
挑発するような物言いをされて、雄星の顔が悔しそうに歪む。
「っ、あのさぁ」
ムッとした塁生が言い返そうとしたが、琥太郎に手を引かれて止められてしまった。
――自分は部外者だ。兄弟の問題に首を突っ込むべきではないのかもしれない。
塁生は喉元まで出かけていた言葉を、グッと飲み込んだ。



