「や、八乙女くんは……キングとか、そういうのには、興味はないの?」
せっかく一緒にユニットを組んで、舞台に立つことになったのだ。
謙杜なりに少しは交流を深めようと考えて、勇気を振り絞って声をかけてみた。
雄星は、まさか自分が話しかけられるとは思っていなかったようだ。
数秒ほど間をあけてから、台本に落としていた視線を持ち上げた。
「俺ですか? 俺は別に……さほど興味はないかもしれません。称号といったものは、全部後から付いてくるものなので。まだ何も始めていない今から先のことは考えていません。俺はただ、自分ができる最高の演技をするだけです」
「そ、そうだよね……」
さすが八乙女晃成の息子だ。思考が凡人のそれとは違っている。カッコいい。
謙杜は感心していたが、会話を聞いていた塁生は思い切り眉を顰めながら、
「何だよ、カッコつけやがって」
と、小さな声で悪態をついていた。



