「だって芥生くん、演技上手いじゃん? せっかくなら、たくさん舞台に立って観てもらった方がいいって!」
「そうですよ。芥生先輩の演技、ぼくもたくさん観たいですし!」
「お前は一緒に舞台に立つんだから、観客席で観ることはできないからな?」
「あ、確かにそうだね」
雄星にツッコまれて笑っている優希に、謙杜は「それじゃあ、朝比奈くん変わってよ……」とお願いしていたのだが、その声は小さすぎて届くことはなかった。
「えー、俺の出番が少なくない?」
塁生は少し不満そうにしていたが、出番が少ないとはいえ二役演じることと、舞台に実際に立つのは初めてという理由から、最終的には配役に納得していた。
「てかさ、八乙女が主役じゃなくていいわけ?」
塁生が純粋な疑問を口にした。
先輩たちの実力は未知数だが、この中で一番舞台慣れしていそうなのは雄星だ。
実際にプロが立つ舞台にも、子役として一緒に立っていたのだから。



