「……何だよ」
「いや、何となく思ってたけど……お前ってさ、朝比奈に対して何か甘くない?」
「はあ? 甘いって、何の話だ?」
「いや、態度が柔らかいっていうかさ? 他の奴らには、けっこうトゲトゲしてるじゃん、お前」
「トゲトケ……?」
「え、自覚なしかよ」
教室でも、父親が八乙女晃成と知って話しかけてくるクラスメイトがたくさんいたが、雄星はそっけない態度をとってばかりいた。
そのため今は、お高く留まっている奴として、クラスメイトたちから遠巻きに見られている。
本人はそれを気にしていないようだし、一緒に行動していることの多い優希もまた、一切気にしていないどころか、クラスメイト達の嫌味のこもった視線に気づいてさえいないようだった。
「……まあでも、朝比奈と接してたら、そうもなるか」
人畜無害なオーラをまといながら琥太郎と自己紹介し合っている優希を見て、一人納得した塁生は、あきれ顔で笑ったのだった。



