「おい、あれ見ろよ」
「ああ、アイツが噂の……」
そんな人混みの中で注目を集めているのは、八乙女雄星。
世間的に有名な舞台俳優である“八乙女晃成”の、実の息子だ。
艶やかな黒髪をしていて、切れ長の目に鼻筋はスッと通っている。
すらりとした高身長で、どこか迫力を感じさせる美しい容姿をしている。
「ねえねぇ。君さ、早乙女晃成の息子だよね?」
「顔立ちがそっくりだから、すぐ分かったわ」
校舎に向かっていた雄星に声をかけたのは、三年生の三人組だった。
髪の毛を金色に染めたり、耳や鼻にピアスをあけたりと、かなり派手な見た目をしている。
舞凛学園の校則で、服装は基本的に自由になっている。
しかしチャラついた装いが好きではない雄星は、わずかに眉をしかめた。



