(……こいつといると、ペースを乱されるな)
だけど、嫌な感じはしない。むしろ、変な気を遣わずに話すことができる。
隣にいて、居心地がいいとすら感じてしまう。
「この前の先輩たちもそうだったけど、俺が八乙女晃成の息子だって知って声をかけてくる連中もいると思う。俺、子役で舞台に立っていたこともあったから」
「え、そうなの? すごいなぁ。ねぇ、何の舞台に立ってたの? 雄星くんが出ていた舞台、僕も観てみたいな。映像として残ってたりするのかな?」
「まぁ、家に帰ればDVDが残ってるとは思うけど」
「え、観てみたい!」
「……今度な」
「やったぁ! 絶対だからね?」
改まって自分の出演作を観たいと言われたことはなかったので、少し気恥ずかしい。
ひとまず今度と濁してしまった雄星だったが、優希は嬉しそうに笑っている。
(……まぁ、こいつは、俺の演技を見て父さんと比べるなんてことはしなさそうだよな)
屈託のない顔で笑っている優希の横顔を見て、雄星の表情も柔らかいものになる。



