「なぁ。お前、名前は……何て言ったっけ?」
「僕は朝比奈優希だよ。君の名前は……えーっと、教室で自己紹介してたよね……ごめん、何だったっけ?」
「お前、俺のことを知らないのか?」
「うん、知らないはずだけど……どこかで会ってたかな?」
雄星は驚いた。
父親は名の知れた有名人だし、今朝の注目のされ方からしても、この学園に通うほとんどの生徒が、自分の存在を知っているものだとばかり思っていたのだ。
優希が本気で、自分があの“早乙女晃成”の息子だということを知らないことが分かり、雄星の中に芽生えた気持ちは、ますます大きくなっていく。
「――朝比奈。お前、俺とユニットを組まないか?」
「僕と君が?」
「ああ」
雄星は、目の前にいる“未知の怪物”と一緒に舞台に立ってみたいと、直感でそう思ったのだ。
優希は数秒ほど考え込むように上を向いてから、にこりと笑った。



