悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~





「ねえ、あの人めっちゃ格好良くない?」

「なんか、怖そうだけど危険な感じが更にヤバい。てか、色気エグいんだけど」

「でも彼女いるよ」

「多分数あるうちの一人じゃない?なんか遊んでそうだし、もしかしたらワンチャンあるかも」




…………おかしい。


人目を逸らす作戦なのに、なぜかいつも以上に視線を感じる気がする。


映画館がある大型ショッピングモールに到着し、入り口を通過した途端、何やら通行人とすれ違う度に振り向かれたり囁かれたりと。
しかも、見てくるやつはみんな女ばかりで、莉子に注目がいかないのはいいことだけど、これはこれでウザ過ぎる。


「櫂理君、やっぱりいつも以上にすごいね……」

すると、莉子のか細い呟き声が聞こえ視線を向けると、何やら怯えた表情で下を向いていた。

「どうした?具合でも悪いのか?」

家を出た時は楽しそうだったのに、いつの間にか青ざめた顔をしていて、俺は心配になりその場で立ち止まる。

「ううん。そうじゃなくて、周りの視線が怖過ぎて前が向けないの」

けど、返ってきた答えは思っていたのと全然違くて。
何のことかと周囲を見渡してみたけど、特に変わった様子はなかった。

「よく分かんないけど、それなら腕に掴まれよ。下ばっかり見てたら危ないぞ」

「え?」

我ながら妙案だと思い、俺は期待を込めた目を莉子に向ける。

「えと…………うん。じゃあ、そうしようかな」

それから暫しの沈黙後、恥じらいながらも素直に頷いてくれて、嬉しさのあまりつい顔の筋肉が緩んでしまった。

思いつきで言ってみたけど、まさか本当に受け入れてくれるとは。

幸先のいいスタートにテンションが益々上がってくる。