悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~

◇◇◇



「それじゃあ、《All I can do is ~(〜することしかできない)》の文法を使った”All I can think about is how much I want to see you”の和訳は?」

「うーん……『さよならをどれだけしたいか、そればっかり考えてる』……とか?」

「は?」

「え?何か違う?」

「いや。”see you”は『さよなら』じゃないし、それを言うなら“see you again”で『またね』だろ。普通に『あなたに会う』って直訳しろよ。てか、何その悲しすぎる誤訳。絶交宣言かよ」


「……ごめんなさい」


※答えは《あなたに会いたい気持ちでいっぱいだ》




「莉子の家庭教師は櫂理君で正解だったねー」

「確かに。あれじゃあ俺ブチ切れてるわ」

「てか、櫂理があそこまで穏便でいられるのは奇跡に近いんじゃない?」


まったく。
人が真面目に勉強しているというのに。
さっきから茶化す声が聞こえてきて、全然集中できない。


「もう!私のことはいいから、美南もちゃんと勉強して!」

「あたし、さすがに中学レベルの英単語は分かるから大丈夫」

そして、募りに募った不満をぶつけたら、今度は笑顔で痛いところを突かれてしまい、何も言えなくなってしまう。

「莉子さんの知能レベル大体予想できたけど、ここまでとはね。でも、面白そうだから今度は俺が教えてあげようか?」

「圭君。それって真面目に教える気ないよね?」

一方、まるで珍獣を見るかのような興味津々な目を向けられてしまい、傷口に塩をこれでもかと塗られる。


やっぱり、勉強は苦手。
高校受験の時は学校や塾の授業が分からなくて、櫂理君の家庭教師でなんとか合格できたくらい。

だから、櫂理君に依存しないように、もっと頑張んなきゃと思ってはいるけれど。

これじゃあ大学なんて、夢のまた夢かもしれない……。