それから、二人は仲良く(?)教室を出て最上階部屋へと向かって行く。
なにはともあれ、櫂理君にまた一人お友達が出来たことは凄くいいことだと思う。
こうしてどんどん輪が広がって、学校生活がもっと楽しくなってくれれば、姉として安心……
「ねえ、莉子くらいだよ。あの三人と平気で喋れるの」
その時、背後から突然美南の顔が現れ、不意をつかれた私はビクリと肩が小さく震えた。
「そんなことないよ。櫂理君も圭君も雨宮君もみんな優しくていい人だよ?」
そして、聞き捨てならない話に頬を膨らませる。
「弟君は身内だから分かるけど、木崎圭はああ見えて中学時代一人で不良グループを潰した人でしょ。それに加えて雨宮君は転校初っ端から弟君とやり合ったし。大抵の人は怖くて近寄れないよ。顔はみんな爆イケだけど」
すると、即座に反論してきた美南の話に私は目を丸くした。
いつも温厚で優しくて、櫂理君のお守り役でもある圭君にそんな過去があったとは。
確かに、櫂理君は圭君のことをあまり話さないので、彼の詳しい事情はよく分からない。
櫂理君と同じぐらい頭が良いのに、何故うちの学校にいるのかとか。これまで圭君が喧嘩しているところなんて一度も見たことがないのに、何故我が校No.2のポジションにいるのかとか。
改めて思い返すと、色々と謎なところが多いかもしれないけど、圭君は圭君だし特段気にしなくてもいいと思うけど……。



