「…………やっぱり、あんた達って正真正銘の悪魔だわ」
それから暫くして男達が息絶え絶えになった頃。
ある程度気が済んだ俺は、ゴミのようにそいつらを床に放り投げると、終始柱の陰に隠れていた莉子の友人が、震えながらようやく姿を現した。
「とりあえず、莉子を拐った奴らが分かったから、あとは警察に……」
「直に殴り込むに決まってんだろ」
そして、ここで話を終わらせようとしたので、俺は即座に遮る。
「は?相手は暴力団だよ?高校生がどうこう出来るわけないでしょ。下手したら殺される……」
「……と思うか?こいつが」
女は納得いかない表情で更に抗議してきたところ、優星の一言により、今度は即座に黙った。
「警察に通報するのは君にお願いするよ。後のことは俺達に任せてくれればいいから」
そう言うと、圭は床に放置されていた学ランを拾い上げ、やんわり微笑んでから女の頭をなでる。
「はい!分かりました!」
その効果はかなりあったようで、女は骨抜き状態になると、首がもげそうな程力強く頷き、教師達の元へと一目散に駆け出していった。
「そういうことだから、お前もここで引けよ」
女が立ち去った後、俺はこの場に残った優星を一瞥する。
圭は聞くまでもないだろうけど、こいつにはそこまで付き合わせる義理はない。
だから、さっさと突き離して次に進もうとした時だった。
突然胸ぐらを掴まれ、今にも殴り掛かりそうな勢いに、俺は咄嗟に身構えた。
「見くびるのも大概にしろ。莉子を助けるのはこの俺だ」
そして、蔑むような笑みを浮かべると、掴んでいた手を離し、明らかな挑発を仕掛けてくる。
「上等だ。敵諸共お前も潰す」
それにまんまと乗せられた俺は、暴力団よりもよっぽど危険なこの男を睨み付け、宣誓布告を叩きつけたのだった。



